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産婦人科専門医による妊活ガイド

体外受精の胚移植の実際を解説〜あとは妊活終了となることを祈るのみ

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胚移植ってどんなことするの?

 「胚移植」とは、受精卵を子宮の中に戻すことでしたね。

 受精卵を子宮に戻すことができれば30歳で41%、35歳で36%、40歳で24%妊娠する可能性があるということはこの記事で解説しました。

 ここまで来ればあとは祈るのみです。

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受精と受精卵培養

 採卵で取れた卵子と調整した精子をシャーレの中で一緒にして受精させます。

 翌日観察して、卵子の中にふたつ核が見えたら精子が中に入って受精したと確認できます。

 受精すると細胞分裂が始まり、2日後に4つの細胞になります。この時点で胚移植することもあります。

 さらに培養を進めると5日目に胚盤胞という状態になります。ここで胚移植をするか、もしくは凍結保存をします。

実際の胚移植のやり方

通常の胚移植

 採卵した時と同じ部屋ですることが多いと思います。

 子宮内膜を傷つけないようにやわらかいカテーテルを使います。やわらかいカテーテルは子宮の中に入りにくいことがあるので、その時は硬めのガイドを使います。

 ベッドに横になり診察の体勢になったら、最初に試しのカテーテルを子宮の中に入れてみます。お腹に超音波を当てて、カテーテルが子宮の奥に入るのを確認します(事前に外来でカテーテルが入るか確認する場合もあります)。そのままの体勢で数分間待ってもらい、培養室にある受精卵をカテーテルに吸って持ってきます。試したのと同じように超音波で見ながらカテーテルを子宮の奥へ入れて受精卵を注入します。

 ちゃんと子宮に着床してくれと念じながら戻します(私は)。

 カテーテルの中に受精卵が残っていないことを顕微鏡で確認できたら終了です。

子宮の入り口からカテーテルが入らない時は

 子宮の入り口からカテーテルが入らないのは

  • 子宮の前屈もしくは後屈が強い
  • 子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどがじゃまをしている
  • 円錐切除術の後などで子宮の入り口が狭くなっている

などの理由が考えられます。

頸管拡張

 頸管とは子宮の入り口のことです。カテーテルが入りやすくなるように事前に子宮の入り口を広げておくのです。具体的には子宮の入り口に細い棒を通して、少しずつ太いものに変えていって入り口を広げます。

こんなのを使います。すごく狭い場合は左の極細の棒から始めます。

TOWAKO法

 採卵の時と同じように超音波で確認しながら子宮内膜に針を刺して、その針を通してカテーテルを入れて子宮内膜に直接受精卵を埋め込む方法です。

 どーしても、子宮の入り口からカテーテルが入らない時に使われる方法です。

まとめ

 胚移植はカテーテルが入りにくくなければ、それほど痛みもなくすぐに終わります。いい受精卵を戻すことができれば、かなりの可能性で妊娠することが期待できます。1回うまくいかなくても、何回目かには妊娠できる可能性が高いです。

 今回いい受精卵ができなかったとしても、次はいい受精卵ができるかもしれません。

 2~3回やってもいい受精卵ができない場合は、卵子の質の問題が考えられます。いい受精卵ができるのを期待して治療を続けるか、状況によって主治医と相談することになります。

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