原因

排卵が起きにくい原因 〜生理不順の方へ産婦人科医が解説します

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生理不順すなわち排卵しにくい原因は

 排卵が起きれば必ず生理がくる(妊娠していなければ)ので生理が不順ということは、排卵がうまくいっていないということです。もちろん排卵しなければ妊娠しませんし、生理不順で排卵の時期が一定していないとタイミングを合わせるのが難しくて妊娠しにくくなります。

生理不順とは

 外来で「生理は順調に来ていますか?」と聞いた時、「不順なんです。27日で来たり、31日で来たりするんです」という答えが帰ってくることがあります。この場合はぜんぜん不順ではありません。生理の周期の変動が6日以内は正常とされています。妊娠を考えていない時であれば、2週間くらい遅れたりしていても、問題にはならないと思います。

 生理の14日目に排卵が起きて、その2週間後に次の生理がくるというのが通常のパターンです。排卵から生理までの間はだいたい一定なので、生理が遅れるということは、排卵が14日目より遅れているということです。

 生理の間隔が決まっていない(その月によって6日以上ずれる)=排卵の時期が決まっていないということになるので、タイミングを合わせるのが難しくて自然妊娠しにくくなります。

排卵障害の原因

 視床下部→下垂体→卵巣というホルモンのシステムに異常があると排卵がうまくいかなくなります。

 生理の周期が39日以上だと希発月経(生理の間隔が長い)という診断になります。この場合、生理の何日目に排卵するかが一定しないことが多いため、自分でタイミングを合わせるのが難しくなりますので、早めの妊娠を希望するなら病院を受診して検査・治療を受けた方が良いと思います。

 

視床下部性排卵障害

 視床下部からGnRHががうまく出ていない状態です。

 GnRHは測ることができませんが、GnRHが出ないと、下垂体からLH、FSHが出なくなります。なので基礎ホルモン検査でLHとFSHが低くなります。LH、FSHが低くいままだと排卵が起きなくなります。

  ストレス、急激な体重の変化などで生理不順になるのはここが原因です。

下垂体性無月経

 下垂体からのLH、FSHがうまく出ていない状態です。

    下垂体に腫瘍がある、分娩時などの大量出血で下垂体の血行が悪くなって働かなくなってしまったなどの原因で起こります。

 外来診察をしていても、あまり見かけることはありません。

多嚢胞性卵巣症候群

  • 生理不順(生理の周期が39日以上)
  • 多嚢胞卵巣(超音波で卵巣に小さな袋がたくさんある)
  • LHが高い(男性ホルモンが高い)

 この3つのすべてが当てはまると多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。

 基礎ホルモン検査で普通はFSH>LHなのですが、LHの方が高くなるのが特徴です。

 多嚢胞性卵巣症候群はこちらで詳しく解説します。

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高プロラクチン血症

プロラクチンとは

脳下垂体から出るホルモンです。乳汁分泌ホルモンとも呼ばれています。

妊娠が進むにつれて高くなっていきます。

産後も授乳の刺激で分泌が促進されるので、授乳している間は高いままです。

プロラクチンの働き
  •  乳腺を発達させて母乳が出るようにします。
  •  排卵が起きないようにします。

  授乳している間はプロラクチンが高いので排卵は起きにくくなります。お産後すぐに妊娠しないようにする自然の摂理だと思われます。

ということは

 普段からプロラクチンが高いと排卵しにくくて妊娠しないということになります。

診断、症状、頻度

 女性の0.4%、排卵障害の9~17%に高プロラクチン血症があるとされています。

 プロラクチンの正常値は測定法で違ってくるのでその病院で使っている検査法の正常値で異常を判断してください。

 30ng/mL以上だとどの検査法でも高いと判断されます。

 生理不順や、乳汁が出るなどの症状があります。

原因

高プロラクチン血症の原因

 高プロラクチン血症にはいろいろな原因があります。病気以外の原因で高くあることもあるし、少し高いくらいだと原因がわからないことも多いです。

 プロラクチンの値が100ng/mL(50という人も言います)以上の場合は、下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の可能性を考えてMRIをします。

 プロラクチンが高い人は甲状腺機能低下が原因になっていることがあるので、甲状腺ホルモンの検査もします。

治療

 薬剤性の場合は、処方している先生に、原因となっている薬剤を変更・中止できるか相談してください。薬を中止できない場合は排卵誘発剤の使用を考える必要があります。

 甲状腺機能低下が原因である場合は甲状腺ホルモンの補充をすると排卵が起きるようになることが多いです。

 薬剤性、甲状腺機能低下以外の場合にはプロラクチンを下げる薬を使います。カバサール、テルロン、パーロデルといった薬です。

 特にカバサールは週1度の内服で効果があるので、使われることが多いです。

 薬を飲み始めると3ヶ月以内にプロラクチンが正常になることが多く、90%で自然に排卵が起きるようになります。

薬剤性でプロラクチンが高い時にカバサールなどの薬を使うと、もともと飲んでいた薬が効きにくくなって、そちらの病気の具合が悪くなる場合があるので注意が必要です。

 下垂体腫瘍が大きな場合や、それによる視野障害などの症状がある場合は、脳外科で手術が必要になるかもしれません。

原発性無月経

 18歳になっても生理がこないのを原発性無月経といいます。

 原因としては染色体異常など先天的な病気が多いです。ターナー症候群、精巣性女性化症候群などがあります。下の図の③になります。

 18歳になっても生理がこない場合は染色体検査をして原因を調べる必要があります。

 多くの場合、排卵を起こすのは難しく、ホルモン補充療法をします。

排卵障害の検査・治療の流れ

排卵障害の治療

まとめ

 排卵障害=生理不順のの原因はいろいろあります。ちょっとしたストレスなどが原因となるので、検査しても異常が見つからないことも多いです。生理が不順だと妊娠しにくくなるので、早めに妊娠するには原因を検査して必要なら治療を考えた方がいいです。

 多嚢胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症などの原因が見つかることもあるので、生理の周期が39日以上であれば、早めに検査を受けてください。

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