新型コロナウイルス

妊活中・妊娠中の新型コロナウイルス感染やワクチンのデータを見るときは『陽性者』と『感染者』の違いに気をつけてください

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新型コロナウイルス

新型コロナウイルス『陽性者』『感染者』の違いとは

毎日発表される新型コロナウイルスのPCR検査の結果ですが「陽性者数」と書いてある時と、「感染者数」書いている時があります。

厚生労働省や東京都は陽性者数として発表していますが、テレビや新聞では感染者数としていることが多いようです。

日常の報道でこのふたつは区別されて使われている感じはありませんし、皆さんも特に違いを気にしていませんよね。

陽性者と感染者を厳密に区別するの難しいのですが、妊活中や妊娠中の人に対する新型コロナウイルスの影響に関するデータを参考にするときは、この違いを意識しておいた方がいいと思います。

まとめ

この記事は、少し専門的でわかりにくいところがあるかもしれないので、先に結論をまとめておきます。

  • 新型コロナウイするの『陽性者」と「感染者」は同じではないが、区別できないことも多い
  • リスクのデータは陽性者(=PCR陽性)全体を対象にしていることが多い
  • PCR陽性でも症状がない人・軽症の人はデータの数字よりリスクが少ないと考えられる

吉村府知事「陽性者と感染者は違う」また飛び出したドヤ顔“妄言”! 専門家も「ナンセンス」と一刀両断

1月のYahooニュースにこんな見出しの記事が出ていました。

「僕の中では感染者っていうのはそれに感染して、他に感染させる力がある状態で、陽性者はあくまでも検査で陽性になった人であって、イコール感染者ではない」と発言したようです。

前後の発言がわからないので実際のニュアンスはわかりませんが、さすがにこの発言を「“妄言”!」というのはどうかと思います。

専門家(?)は吉村知事の「感染者は、他に感染させる力がある状態」という発言ををナンセンスと言っているようです。確かにこの部分はちょっと違うかもしれませんが、ナンセンスは言い過ぎですね。

新型コロナウイルス陽性者とは

陽性者の定義ははっきりしていて、PCR検査が陽性になった人のことです。

問題なのはPCR検査の感度が非常に高いことです。のどや鼻の中に僅かなウイルスが付いていただけでも陽性になる可能性がります。

またPCR検査は、ウイルスのRNAがあるかを調べる検査なので、感染力のないウイルス(死んだウイルス?)がいただけでも陽性になる可能性があります。

新型コロナウイルス感染者とは

「感染(かんせん、: infection)とは、生物体内もしくは表面に、より体積の小さい微生物等の病原体寄生し、増殖するようになる事」とウィキペディアに書いてありあます。

ウイルスの場合はヒトの細胞内に入り込まないと増殖できないので、表面にウイルスが付いているだけでは感染とは言えません。

ウイルスが付いているだけの人は、陽性者だけど感染者ではないということになります。

実際にこのような人がどのくらいいるのかはわかっていません。

陽性者のほとんどが感染者になるようなウイルスは感染力が高いウイルスです。

感染者の診断

陽性者の診断はPCRでできます。感染者の診断法はあるのでしょうか。

症状がある人は感染者と考えていいでしょう。

でも、感染者すべてに症状があるわけではありません。

抗体検査が陽性の人も感染者です。抗体は細胞に感染したウイルスを攻撃するために作られるものなので、抗体が陽性ということは感染したと考えられます。

PCRが陽性になったけれど症状がなく抗体検査もしていないといった人は、陽性者でではありますが、感染者かどうかはわかりません。

ということで、感染者をもれなく診断するのは難しいので、PCR検査陽性者を感染者としていることが多いと考えられます。

感染者にもいろいろ

感染者といっても

  • まったく症状がない人
  • 軽症で入院の必要がない人
  • 重症で入院が必要な人
  • 人工呼吸・ECMOが必要な人

などいろいろです。

新型コロナウイルス感染やワクチンの情報を見る時に意識すること

他人に移すということを考えた時には、症状がある人の方が移す可能性が高いですが、陽性だけど感染していないという人でも移す可能性はあると思うので注意が必要です。

妊活中・妊娠中の新型コロナウイルス感染のリスクやワクチンのリスクの情報を調べて、例えば「新型コロナウイルス感染の妊婦は早産率が2倍になる」と書いてあったとします。

新型コロナウイルス感染の妊婦ろいうのを、どんな状態の人のことを言っているのかで、データが大きく変わると思われます。

  1. PCR検査陽性者のこと(症状がない人も含まれる)
  2. 軽症な人
  3. 入院が必要となった人

この順でリスクは大きくなっていきます。

実際のところ、論文や公的機関からのデータでも、この辺の区別ははっきりしていないものが多いです。

重症な人だけ取り出すと、リスクが高くなるというデータはあります。

症状がないか軽症の人だけのデータというのはほとんどありません。

ネットを検索して、『妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると◯◯◯になるのが3倍になります』という記事を見た時、どのレベルの感染の人の場合を言っているのかに注意が必要です。

「新型コロナウイルスに感染すると」と書いてあったら、PCRが陽性になったという意味のことが多いでしょう。そうすると、症状がないか軽症の場合のリスクは3倍よりはかなり低いと考えられます。

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