検査

ホルモン検査で異常が見つかったらどうなるの?産婦人科医がわかりやすく解説します

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ホルモンのバランスがくずれているってどういうこと?

ホルモン検査はいつする?

女性ホルモンは生理周期の中で大きく変化しているので、いつ採血するかによって結果が変わってしまします。

生理が始まった日から数えて3〜5(7)日目に採血するのが基礎ホルモン検査です。

何を調べるの?

ホルモン検査で調べるのは、

  • LH:黄体化ホルモン
  • FSH:卵胞刺激ホルモン
  • エストロゲン:卵胞ホルモン
  • プロラクチン

です。

テストステロンという男性ホルモンも一緒に調べる病院もあります。

それぞれについて、わかりやすく説明します。

LH:黄体化ホルモン

黄体化ホルモンとは

脳(脳下垂体)から出て卵巣に働きます。

大きくなって成熟した卵胞に働いて、卵胞を破って排卵させるホルモンです。

正常範囲

1.8~7.0くらいです。

他のホルモンの正常範囲もそうですが、その病院が使っている検査法によって多少変わってきます

高い時は

LHが高くて、FSHが正常範囲の時(LHがFSHよりも高い時)は多嚢胞性卵巣症候群の可能性があります。

 

低い時は

LHが低い時は、LHを作る脳下垂体の働きがわるいか、脳下垂体でLHを作るのを命令するホルモンを出す視床下部の働きがわるいと考えられます。

急な体重減少・拒食症、下垂体や視床下部の腫瘍などが原因になります。

FSH:卵胞刺激ホルモン

卵胞刺激ホルモンとは

LHと同じく、脳下垂体から出て卵巣に働きます。

卵胞を大きくして、卵子を成熟させるホルモンです。

卵胞が大きくなると、女性ホルモン(卵胞ホルモン)がどんどん出てきます。

排卵するために一番重要なホルモンだと思ってください。

正常範囲

4~15くらいです。

高い時は

卵巣の働きがわるい、つまり卵巣から女性ホルモンが出ていない状態だと考えられます。

脳が女性ホルモンが少ないのを感じて、卵巣に女性ホルモン作らせようとFSHをいっぱい出すようになります。いっしょにLHも高くなります。

閉経後の女性は30以上になっていることが多いです。

低い時は

LHと同じで、脳下垂体や視床下部の働きがわるいと高くなります。

エストロゲン:卵胞ホルモン

卵胞ホルモンとは

脳下垂体から来たFSHの命令によって、卵胞の中にある顆粒膜細胞が作るホルモンです。

みなさんがイメージする女性ホルモンがこのホルモンになります。

卵胞が大きくなるにつれて卵胞ホルモンも高くなっていって、卵胞が排卵する直前に一番高くなります。

卵胞ホルモンは、子宮内膜(受精卵が着いて育つ)を厚く育てて、受精卵が着きやすい環境を作ります。

例えるなら、花の種を植えるためにまず土を盛っている状態です。

正常範囲

(20)30~(70)80くらいです。

高い時は

高いということはめったにありません。

ホルモンを作る腫瘍が卵巣などにできていることがあるので、その時は手術で腫瘍を取ることになります。腫瘍といっても良性の場合が多いです。

採血のタイミングがずれてしまって、排卵近くに採血すると高くなります。

低い時は

ホルモンのバランスが崩れているというレベルではなく、卵巣の働きがわるい状態です。閉経後にも低くなります。

生理不順というか、ほとんど生理がこない状況になっていると思われます。

プロラクチン

プロラクチンとは

LH,FSHと同じく脳下垂体から作られるホルモンです。

乳腺を発達させて母乳を作る働きをしています。

妊娠すると高くなるし、お産の後、赤ちゃんが乳首を吸うとその刺激で高くなって母乳が作られます。

また、プロラクチンが高いと排卵が起こりません。お産して授乳している間はプロラクチンが高くて排卵しないので、すぐには妊娠しないようになっています。

正常範囲

15以下くらいです。

検査法によっては30以下くらいが正常の場合もあります。

高い時は

妊娠していないのにプロラクチンが高いと、そのせいで排卵しにくくなってしまいます。

生理不順でホルモン検査をして、プロラクチンが高ければ、それが生理不順の原因と考えられます。プロラクチンが高い原因を調べて治療します。

実際は検査しても原因がはっきりわからないことが多いです。そんな時はプロラクチンを下げる薬を使います。

下垂体にプロラクチンを作る腫瘍ができていることもあります。プロラクチンを下げる薬を使うか、手術をすることもあります。

精神安定剤や血圧の薬を飲んでいると高くなることもあります。飲んでいた薬を変えてみるのもひとつの方法です。

プロラクチンについてより詳しく知りたい時はこちらへ

テストステロン

男性ホルモンのひとつです。

LHのところで出てきた、多嚢胞性卵巣症候群の時に高くなることがあります。なので、多嚢胞性卵巣症候群だろうと考えた時に検査することが多いです。

正常範囲は検査法によって違うので、その病院の検査の正常値で判断します。

テストステロンが高いと排卵しにくくなると考えられていますし、ニキビや多毛といった症状が出ることがあります。

ホルモンのバランスがくずれているとは

最初にお話ししたように、排卵や生理を調節している女性ホルモンは生理に時期によって大きく変化しています。

よく聞くホルモンのバランスがくずれているというのは、この変化がうまくいっていないということです。

生理の最中のホルモンの検査は正常なのに生理が不順な場合は、バランスがくずれた状態です。このホルモン検査が異常だった場合は、バランスがくずれているいうよりは、卵巣や脳下垂体などのより大きな異常の可能性が考えられます。

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