体外受精 治療

自然周期での体外受精はどんな時にオススメなのでしょうか

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自然の排卵で体外受精をすることもあります

 排卵誘発をしないで自然の排卵の時に採卵して体外受精をする方法があります。

 どんな時にするのでしょうか?

 なかにはほとんどすべての体外受精を自然周期で行なっている病院もあります。

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自然周期法とは

 生理が来てから排卵直前まで一切薬を使いません。まず生理の2~3日目に受診して超音波で卵巣の状態を確認します。これは省略することもあります。生理の10~12日目から超音波で卵胞の大きさを確認します。卵胞が成熟したら、HCGの注射もしくはGnRHのアゴニスト点鼻をして排卵の環境を整えて、34時間後くらいに採卵をします。

 自然に排卵してしまうことがあるので、HCGの注射もしくはGnRHアゴニスト点鼻をするのは、通常の体外受精より早めに、卵胞が15~20mmくらいになったところですることが多いです。

HCG注射とGnRHaアゴニスト点鼻とどちらがいいのか

本来、自然の排卵の環境を整えるのはLHサージでしたね。LHの注射はないので代わりにLHと同じ働きを持っているHCGを使います。
 LHはとても早く血液からなくなってしまうのですが、HCGは2~3日くらい働き続けます。HCGが長く働くことが、その後のホルモン環境に悪影響を与える可能性があります。
 一方、GnRHアゴニストを使うとその刺激で脳下垂体からLHが出て、排卵の環境を整えます。より自然に近い環境と言えます。
 また、午前中に採卵をする場合、34時間前だと夜中にHCGを注射することになります。GnRHアゴニストの点鼻なら自宅でできるので便利ですね。
 実際のところは、大きな違いはないかと思いますが、確実な効果ならHCG、より自然に近い形であればGnRHアゴニストでしょうか。

自然周期法の妊娠率

 自然周期法は、年齢の高い人や注射をしても卵胞が多く育たない人を対象にやっているという病院も多いので、治療対象によって妊娠率も変わってしまいます。

 30歳以下の人に自然周期法をやった場合、治療開始あたりの妊娠率が19%、採卵あたりの妊娠率が25%、胚移植あたりの妊娠率が49%という報告があります。

 自然周期法の場合、治療を開始しても採卵する前に排卵してしまったり、採卵しても卵子が取れなかったり、採卵できても受精しないことがあるので、胚移植までたどり着ける率は低くなります。若い人であれば胚移植まで行けばかなり妊娠が期待でるようですね。 

 2002年のヒューマン・リプロダクション・アップデートの20個の論文の1800回の自然周期法をまとめた報告では、治療を開始した1800回のうち採卵をしたのが約71%、採卵で卵子が取れたのが約57%、胚移植をしたのが約46%、妊娠したのが7.2%でした。

 治療を受けた人の平均年齢は33歳くらいです。以前に通常の体外受精を受けて、卵胞があまり育たなかった人も含まれています。

 自然周期法の妊娠率は7%くらいになるのかと思いますが、若い人の初回の体外受精であれば、もっと高くなるのだと思います。

排卵誘発剤への反応が悪いと思われる人に対しての自然周期法

ボローニャの基準

以下の項目に2つ以上当てはる人は、卵巣の反応が悪いと考えられます。
  1. 40歳以上
  2. 通常の体外受精の排卵誘発で卵胞が3個以下
  3. AMHが1.1ng/ml以下

 卵巣の反応が悪い人は、通常の排卵誘発をしても採卵できる卵子の数は、自然周期とあまり変わらないと考えられるので、自然周期法の対象になります。この場合の妊娠率はどうでしょうか。

 卵巣の反応が悪い人が、自然周期法で体外受精をした場合の妊娠率は3~9%くらいとする報告が多いです。年齢が高い人が多く含まれてくると思われるので、妊娠率は低めになります。 

自然周期法のメリット・デメリット

 自然周期法のメリット・デメリットをまとめてみます。

自然周期法のメリット

多胎妊娠にならない

 自然周期法では1個しか採卵できないので、多胎妊娠になることはありません。ただし、通常の体外受精でも、1個しか胚移植しなければ多胎妊娠になることはほとんどありませんね。

排卵誘発剤の費用がかからない

 通常の体外受精の排卵誘発にかかる費用は5万円くらいでしょうか。アンタゴニスト法、自己注射などになるとさらに費用がかかります。

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排卵誘発の副作用がない

 通常の体外受精でも、卵巣過剰刺激症候群になることは少なくなっていますが、自然周期法では卵巣過剰刺激症候群になることはまずありません。

 また、まれですが注射したところが腫れたり、注射の影響で、頭痛・気分が不安定になるという副作用の心配がありません。

病院に通う回数が少ない

 注射に通わなくて良い、卵胞モニタリングの回数が少ないなどから、病院に通う回数が少なくてすみます。

採卵の時のリスクが少ない

 1個だけの採卵なので、採卵の時の、出血、感染などのリスクが少ないです。

毎月できる

 通常の体外受精は卵巣を休めるために3~4ヶ月に1回くらいしかできませんが、自然周期法は毎月やることも可能です。

自然周期法のデメリット

採卵の前に排卵してしまう

 30%くらいは、排卵してしまった・卵胞が育たないなどの理由で採卵まで行けません。

胚移植できない

 卵子が取れても、取れた1個の卵子が受精しない、受精しても育たないとなれば胚移植できません。胚移植までたどり着けるのが50~60%くらいです。

毎回採卵が必要

 通常の体外受精では、受精卵が複数できれば凍結保存をして何回かに分けて胚移植をすることが可能です。自然周期法では1個しか採卵できないので、1回胚移植をして妊娠しなければ、また採卵が必要になります。

1回あたりの妊娠率が低い

 上で解説したように、当然ながら1回での妊娠率は低くなります。妊娠するまでに、何回か体外受精が必要になることも多いです。そうすると妊娠するまでの費用は通常の体外受精と変わらなくなるかもしれません。

どんな時に自然周期法をするのか

 30歳以下の人は、自然周期法でも1回で20%くらいの妊娠が期待できます。自然周期法のメリットを考えると若い人は自然周期法でもよいのかもしれませんね。

 実際のところ、最初から自然周期法でやるという病院は少ないと思います。最初にお話ししたように、中にはほぼ全員自然周期法でやっている病院もあります。

 あとは、注射しても1~2個しか卵胞が育たない人は自然周期法がいいかもしれません。自然周期法なら毎月することもできます。

まとめ

 全くなにもしないのが自然周期法ですが、クロミッドだけ使う・クロミッドと数回の注射をするという方法もあります。そうすると2~3個採卵できるかもしれません。

 今回解説したメリット・デメリットを理解して、卵巣の反応・年齢・治療歴などふまえて、主治医と相談して治療を選択してください。

 

 

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