体外受精 治療

体外受精の採卵の実際を詳しく解説します

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採卵はどんなことをするのかを知って不安を解消しましょう

 体外受精に進んでいよいよ採卵のむかえる時、「どんなことをするのか」「痛くないのか」など不安がたくさんありますよね。今回は、実際の採卵の流れを知って、少しでも不安を解消していただければと思います。

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最初は休む病室へ

 採卵のために病院に行くと、まず採卵の前後に休む病室に案内されます。

 点滴をさされます。

採卵室

 だいたいどこの病院でも採卵専用の採卵室というのがあると思います。ベッドがあって天井には手術室と同じライトがあります。かなりものものしい感じです。

採卵室

 ベッドに横になると、血圧計が腕に巻かれて、酸欠になっていないか調べる装置が手の指にはめられます。

麻酔開始

 点滴から麻酔の薬を注射します。静脈麻酔といいます。

 麻酔薬で寝ている間に採卵を行います。手術の時のように息が止まるわけではないので、人工呼吸をすることはありません、寝ているだけなので自分で呼吸をしています。

 使われる麻酔薬は主に2通りだと思います。

  1.  痛み止め(ソセゴン、ペンタジン)+睡眠剤(セルシン、ホリゾン)
  2.  ディプリバン(プロポフォール)

 どちらの薬も最初に点滴から入る時に、血管がしみて痛いことが多いです。

 私の病院では数年前に1から2に切り替えました。

 これはあくまでも私の印象ですが、1でやっていた時はぐっすり寝て息が止まりそうになる人もいる反面、痛くてあばれる人もいて、効き方にバラツキが多かったと思います。

 2の薬にしてからは、ぐっすり寝てしまう人は少なく、うつらうつらとした感じになって、多少痛がりますが、あばれるという人は少ないです。痛がった人も後で覚えていないことが多いです。

 1の薬は点滴の管からいっきに入れるのに対して、2の薬は体重に合わせてポンプを使って少しずつ入れて行くのでちょうどよい効き具合になるのだと思います。だたし、効きすぎると息が止まりやすいので注意が必要です。

無麻酔での採卵

育った卵胞数が少ない場合(1~2個くらい)、麻酔をしないで採卵することもあります(ご本人が希望すれば)。事前に痛み止めの座薬を入れてからすることが多いです。針を1回刺すだけなので、点滴の針を刺すのと一緒と考えていただいて(ちょっと無理がありますが)、我慢していただくことになります。麻酔をした時のように採卵後に吐き気がしたりすることはあまりないので、早めに帰宅できると思います。

採卵

 麻酔が効いたらいよいよ採卵の始まりです。

 膣の中をよく消毒します。針を刺す時にばい菌が一緒に入ってしまうと、卵巣や腹膜に炎症を起こしてしまい、熱が出てお腹が痛くなり、その後卵管や卵巣の周りに癒着ができてしまいます。そうならないように十分消毒する必要があります。

 針を通すガイドがついた超音波の機械を膣の中に入れて卵巣を観察します。

 卵胞にねらいをさだめて針をさします。膣の壁を針が通る時が一番痛いです。注射器の先が卵胞の中に入ったら、注射器で中の水(卵胞液)を吸い出します。針の根元の方には注射器がふたつ付いていて、片方から水(培養液)を空になった卵胞に入れて、もう一方の注射器で吸うというのを何回か繰り返して、卵子を取り残さないようにします。

 実際の針をご覧になりたい方はこちらへ

 取り出した卵胞液を顕微鏡で見て卵子を探します。見つけた卵子をシャーレに集めて培養器の中で保存します。

顕微鏡培養器

 以上で採卵は終了です。意識がはっきりしてくると、下腹部の痛みや吐き気を感じるかもしれません。症状が強ければ痛み止めや吐き気どめを使います。ベッドで休んで、感染予防の抗生剤の点滴をします。症状・出血・血圧などに問題がなければ帰宅します。

採卵後に注意すること

 最も注意しなければならないのは

  • 感染
  • 出血

です。

感染

 十分消毒してから採卵したとしても、感染を起こすことがあります。卵巣にばい菌が入ると卵巣にうみがたまって卵巣膿瘍になります。お腹の中にばい菌が広がると腹膜炎になってしまします。

 お腹が痛くて38度近い熱が続くようなら連絡してください。入院して抗生剤の点滴が必要になるかもしれません。

出血

 膣の針穴から出血しますが、だいたいすぐに止まります。家に帰ってから膣の中に貯まっていた出血が出ることで、一時的に多めの出血があるかもしれませんが、生理の多い日みたいな感じで続くようでなければ様子を見て大丈夫です。

 注意しなけらばならないのはお腹の中への出血です。卵巣に針が刺さるのでそこからも出血します。ふつう自然に出血は止まるので問題ないのですが、非常にまれですが出血が多くなることがあります。

 お腹の中に出血してもすぐには気づかないことが多いです。最初に出るのはお腹の痛みです。家に帰ってからどんどんお腹の痛みが強くなるようなら連絡してください。気分が悪くなるようなら貧血が進んでいる可能性がありますのですぐに連絡・受診してください。

私の病院では、採卵後の感染や出血で入院しなければならなくなった人は何年もいませんので、滅多にあることではないと思います。

当日夜の過ごし方

 普通に過ごしていただければいいと思いますが、

 飲酒、性交渉、激しい運動などは出血を起こす元になる可能性があるのでひかえましょう。

 入浴もシャワーのみが無難など思います。

 翌日からは特に制限なく通常の生活でいいと思います。

まとめ

 初めての採卵はかなり緊張すると思います。採卵室に入ると重々しい雰囲気でさらに緊張感が高まります。

 採卵の最中は麻酔が効いているので痛かったという記憶はあまりないことが多いです。採卵後に痛みや吐き気を感じたら、我慢せず薬を追加してもらいましょう。

 家に帰ってから、痛み・発熱・気分が悪いなどあったら病院に連絡してください。

 採卵の時の痛みは、採卵する医者の腕もあると思われます。私の病院で採卵中に痛がる人が少なくなったのは私の腕が上がったからかもしれません(笑)。採卵をいっぱいやっている病院の先生はみんな腕がいいので心配しないでください。

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